いきなりOpenFOAM (2)
OpenFOAMのチュートリアルを計算する
nautilus
なお、Windows上でUbuntuを構築した場合は、Windowsのエクスプローラがそのまま使えます。
OpenFOAMの計算は設定ファイルなどがまとめられているディレクトリ(=フォルダ)でコマンドを実行します。そのため、計算前に該当のディレクトリに移動しなければなりませんが、上記GUIの場合は、実行したいディレクトリで「右クリック」-「端末で開く」を選択することで、すでにそのディレクトリに移動した後の状態で端末が起動します。
一方、Windows上でUbuntuを構築した場合は、エクスプローラに同様の機能が無いので、まずUbuntuを起動し、その後、設定ファイルがあるディレクトリまでコマンドで移動する必要があります。
Ubuntu上でC:\にアクセスするには
cd /mnt/c/
となります。ここで「cd」はlinuxのコマンドでディレクトリを移動するコマンドです。
例えば、C:\ユーザー\[ユーザー名]\test-folder へ移動する場合は、
cd /mnt/c/Users/[ユーザー名]/test-folder
で移動できます。大文字と小文字を区別しますので、注意してください。
また、今いる場所から1つ上のディレクトリに移るには
cd ..
一つ下の任意のディレクトリに移るには
cd [フォルダ名]
と、相対的に移動できます。
「cd」コマンドは一番使用頻度が高いと思いますので、覚えてしまいましょう。
Linuxの場合、Dockからファイルマネージャーを起動します。左の欄の「他の場所」をクリックし、コンピューターを表示させます。
OpenFOAMのインストール箇所を開きます。コンピューター→opt→openfoam7へ移動し、tutorialsをhomeの任意のディレクトリにコピーします。(必要な例題だけ移動してもいいです) Windowsなどと同様の操作でコピーペーストできます。(マウス右クリック→コピーと右クリック→貼付けあるいは、キーボードのCtrl+CとCtrl+V)
コピーしたtutorials内の incompressible→simpleFoam→pitzDaily を同様に、任意のディレクトリにコピーします。なお、OpenFOAMは日本語(2byteコード)には対応していないので、ファイル名やディレクトリ名に日本語名は使えません。
PitzDailyのディレクトリ内には、解析に必要な条件ファイルが入っています。
チュートリアルではすでにメッシュの分割設定がされているので、いきなりコマンドを入力します。
OpenFOAMには複数のメッシャーが用意されていますが、今回は一番一般的なblockMeshというコマンドになります。
※大文字と小文字を区別しますので注意してください。
blockMesh
(インストール時に行う、.bashrcへのsource /opt/openfoam7/etc/bashrc の追加を忘れると、UbuntuはblockMeshというコマンドを認識できずにエラーとなります)
ターミナルで「$」や「%」が表示され、入力待ちの状態になったら、続けて、計算用のコマンドを入力します。
OpenFOAMでは様々なタイプの解析を行うことができ、タイプによって実行コマンドが異なります。今回の例題pitzDailyはsimpleFoamというコマンドで計算を行います。OpenFOAMのチュートリアルを計算する場合は、そのディレクトリがどのコマンドのディレクトリに属していたかで、実行コマンドを知ることができます。(〇〇Foam)というディレクトリ名になっています。
simpleFoam
Enterキーを押すとすぐに計算が始まります。
チュートリアルですので、計算時間はそれほどかかりません。
メッシュの時と同様、計算が終了すると「$」や「%」が表示され、入力待ちの状態になります。
これでOpenFOAMの計算ができました。
次回は今回計算したものを可視化してみます。
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