いきなりOpenFOAM (3)

計算結果を可視化する

ParaViewの起動方法

 前回はOpenFOAMのチュートリアル、pitzDailyの計算をしました。今回はその結果を可視化します。
 OpenFOAMの計算結果を表示するツールとしては、同じくオープンソースの「ParaView」が一般的で、Linux版はOpenFOAMと同時にインストールされています。ただしハードウェア環境やインストール方法によりサポートするコマンドが使えない場合もあるので、2つの起動方法を説明します。

① OpenFOAMから呼び出す方法
 OpenFOAMの結果があるディレクトリで下記のコマンドを実行します。

paraFoam

 すると、ParaViewが起動し、そのディレクトリの結果を読み込むことができます。

② ParaViewを単体で起動し、結果ファイルを読み込ませる方法
 Linuxのターミナルで下記コマンドを実行します。

paraview

 すると、ParaViewが単体で起動します。
 Windows版のParaViewを別途インストールしている場合は、他のソフトウェアと同様、アイコンのダブルクリックかスタートメニューから起動します。
 ただし、こちらの起動方法ですと、起動と同時に結果ファイルは読み込まれませんので、読み込ませるためのファイルを手動で作ります。計算結果があるディレクトリに、「〇〇.foam」という空のファイルを作ります。Linuxのターミナルからは下記のコマンドで作ることができます。

touch 〇〇.foam

 このファイルを単体で起動したParaViewに読み込ませると、①で起動した状態と同じになります。

※Windows版ParaViewの入手はこちらから
 https://www.paraview.org/

計算結果を表示する

 前回計算した例題(pitzDaily)の表示をします。計算をしたディレクトリに移り、ターミナルを起動します。(計算に続いて実行する場合は同じターミナルで実行できます) 今回はOpenFOAMからParaViewを呼び出すので、下記のコマンドを実行します。

paraFoam

 起動した状態では、モデルが反映されていないのと、初期状態が表示されるように設定されています。
 赤い〇で囲ったアイコンをクリックして最終サイクルを選択します(忘れると初期値が表示されるため、何も解析を行っていないと勘違いする場合があるので注意してください)。その後、Properties内の青い〇で囲ったアイコン(Apply)をクリックすると、解析結果が表示されます。

図1 ParaView起動画面
図2 Applyでモデルを表示

 赤い〇で囲ったセレクタをSurfaceからWireframeに切り替えると、メッシュを表示します。

図3 メッシュ表示

 表示をSurfaceに戻し、赤い〇で囲ったセレクタをUに切り替えると、図4に示すように流速分布のコンター表示になります。

図4 流速コンター図

 同様にして、Pに切り替えると、図5に示すように圧力分布をコンター表示します。

図5 圧力コンター図

 以上で、例題(pitzDaily)の計算実行から結果表示までできるようになりました。他の例題についても同様に実行することができると思います。

※今回の例題はチュートリアルの「simpleFoam」ディレクトリの下にありました。OpenFOAMには複数の計算実行コマンドがあり、それぞれの実行コマンド(〇〇Foam等)に対してチュートリアルが用意されています。
 別のチュートリアルを実行する場合は、どのディレクトリ(実行コマンド)のチュートリアルかに注意し、正しいコマンドで計算するようにしてください。

次回も引き続きParaViewの表示と操作について説明します。

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