いきなりOpenFOAM (40)
ウォータースライダーの流れ解析(その1)
解析モデル
ウォータースライダーは、水流を利用した一種の滑り台です。今回はウォータースライダー内の水の流れをOpenFOAMで解析してみます。解析モデルは、図1に示すように、半径5m、高さ5mのらせん状の直径1mのチューブとし、FreeCADでのモデリングも含めて説明します。
FreeCADでのモデリング
モデリングの手順は、チューブの中心曲線を作成し、チューブの断面曲線(直径1mの円)をチューブの中心曲線に沿って、スイープします。始めに、チューブの中心曲線として螺旋を作成します。FreeCADを起動し、ワークベンチをPartにして、図2の赤い丸で囲まれたアイコン(Creation~)をクリックします。図3に示すように、左のTasks画面で、「Helix」を選択し、螺旋のピッチ、高さ、半径を入力し、「Create」をクリックすると螺旋が表示されます。
続いて、図4に示すように、「Circle」を選択して、チューブの断面曲線を作成します。図5に示すように、作成された断面曲線を螺旋の終端に移動し、90度回転します。
次に、図6の赤い丸で囲まれたアイコン(UtilityToSweep)をクリックします。図7に示すように、左側のTasksパネルで、断面曲線を選択します。パネル下の「SweepPath」をクリックし、図8に示すように、螺旋をマウスでクリックして選択し、「Done」をクリックします。パネルは元の表示に戻るので、図9に示すように、パネル下のCreateSolidにチェックを入れ、「OK」をクリックすると、図10に示すようにスパイラルチューブができあがります。
水の流入側として、縦横高さ2mの立方体を作成し、チューブの終端に移動し、ブーリアン演算でチューブに接合すると、図11に示すウォータースライダーのモデルができあがります。
この後、モデルを面に分離し、STLファイルを出力すれば、XSimでメッシュ設定が行えますが、このままメッシュを作成すると、大きなファイルサイズのSTLが生成されます。XSimは5MB を超えるSTLファイルは扱えないため、今回は、モデルを1/100に縮小してSTLファイルを出力し、XSimでは1/10にスケールを変更することにします。
ワークベンチをDraftに切り替え、図13に示すように、赤い丸で囲まれたクローンアイコンをクリックすると、図14に示すように、Model欄にはクローンができあがります(モデルのコピー・ペーストでは、スケールの変更ができないので注意)。クローンを選択し、図14に示すように、プロパティのScaleをそれぞれ、0.01に変更すると、モデルは1/100に縮小されます。
今回はウォータースライダーの流れ解析(その1)として、主に解析モデルの作成を中心に説明しました。次回は、モデルを面に分割し、XSimでのメッシュ設定とOpenFOAMでの解析を行います。
このページでは、各アプリケーションの操作説明は省略しています。FreeCADの具体的な操作については、いきなりOpenFOAM第5回および第7回、OpenFOAMでの計算実行は第8回、ParaViewの操作については第3回、第4回および第8回を参考にしてみてください。
おことわり
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