いきなりOpenFOAM (74)

サーキュレータファンの流れ解析(その2)

他モデルの計算

 前回、動翼のみでの流れの解析ができたので、今回は、図2と図3に示すモデルでの解析を行います。図1での解析と同様に、ダクトと静翼との組み合わせをductとしてstlファイルに出力します。動翼bladeと境界boundに相当するstlファイルは前回解析のものを流用します。
 ブラウザでXSimサイトに接続し、いきなりOpenFOAM第73回と同様の操作を行い、解析を行います。詳細は、いきなりOpenFOAM第73回を参照してください。

結果の可視化

 動翼のみ、動翼とダクト、動翼とダクトと静翼での風速1m/sの等値面をそれぞれ、図1、図2、図3に示します。図を見ると、ダクトおよび静翼により、風速1m/sの等値面が後方に伸びることがわかります。つまり、気流がより遠くに届くようになります。このことから、サーキュレータファンの設計においては、動翼のみならず、ダクトと静翼の設計が重要となることがわかります。

図1 動翼のみ
図1-2 動翼のみ 風速1m/s等値面
図2 動翼とダクトの組み合わせ
図2-2 動翼とダクトの組み合わせ 風速1m/s等値面
図3 動翼とダクト、静翼の組み合わせ
図3-2 動翼とダクト、静翼との組み合わせ 風速1m/s等値面

 なお、等値面の概略の大きさを調べるには、図4に示すように、Contourを選択し、下側のInformationタブを選択し、Bounds欄を見ると、等値面を囲む立方体の長さがわかります。今回は、Z軸方向に流れるため、Z Rangeのdeltaの約1.5mが等値面の流れ方向の長さとなります。

図4 等値面の大きさ表示

 今回の比較から、動翼にダクトと静翼とを組み合わせることで、気流をより遠くに届くようにできることがわかりました。
 次回は、ダクトと静翼の働きをParaViewを使って可視化して見てみます。

 このページでは、各アプリケーションの操作説明は省略しています。FreeCADの具体的な操作については、いきなりOpenFOAM第5回および第7回、OpenFOAMでの計算実行は第8回、ParaViewの操作については第3回第4回および第8回を参考にしてみてください。

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